悪魔を産むユリアン(前編)

 

 

「う、うああ!いやぁっ!きゃあああーーーー!!」

美しく若い女性の絶叫が響いた。その絶叫の主は星涼子。ウルトラ女戦士の、地球上での姿である。

涼子は最近頻発する吸血鬼事件を追っていた。ところが調査の際、その元凶である宇宙細菌ダリーが

彼女の身体に入り込んでしまったのだ。本来ダリーは人間の体内に入り込むと、血液中のフィブリノーゲンを

食べて成長する。しかし涼子は人間の姿をしてはいるが、本体はウルトラ族であり、フィブリノーゲンは

存在しない。しかしダリーはその代わりに、涼子の体内にみなぎるウルトラパワーを食しはじめていたのだ。

「あ、あついぃ!く、くるし・・うわああ!きゃあ!あああーーー!」

体内から突き刺すような痛みが涼子を襲い続ける。ごろごろ転げまわりながら、苦しみ悶える。

本来ダリーには、寄生した人間を意のままに操ってしまうという能力があるのだが、ウルトラ戦士の

優れた精神力がそれを阻んでいた。しかしそのための集中力も、彼女への苦痛を増加させてしまっている。

涼子の体内では、パワーを吸収したダリーが分裂を始めた。分裂を終えたダリーがまたパワーを奪い、

さらに分裂。神秘的な力、ウルトラパワーを体に取り込んだダリーは、涼子の体内で進化を始めたらしい。

涼子の苦しみがいっそう激しくなる。

「ぐ、ぐあ!きゃあ!ああぁ!うはあー!!あ、あつい!からだがあついぃぃぃ!」

涼子は自らビリビリと服を破り始めた。この熱さは当然ながら体内から発せられるものであるから、

服を脱いだところでそれが静まるものではない。しかしあまりの熱さ、痛み、苦しみに精神が犯され、

まともな思考が出来ずにいた。

「・・・く、くぅぅっ!お、おなかが・・うあああ!」

これ以上のパワー吸収は不要となったのか、ダリーは涼子の体内から出ようとしているらしく、

涼子の腹を中からつつき始めた。しかしダリーは、体を突きやぶっての脱出は不可能と判断、

涼子の身体の下部へと向かっていく。一匹のダリーが涼子の膣の位置まで来た時、ダリーに異変が起こる。

涼子の膣内の体液は、ダリーの体の巨大化を促していた。ぐんぐんとその体躯を大きくさせていくダリー。

はちきれんばかりの痛みが涼子の膣内に襲い掛かる。

「い、いやあああ!!」

涼子は下着を引きちぎり、足を大きく広げた。ダリー自身、せまい膣内に窮屈さを感じていたらしく、

開かれた涼子の秘裂から這い出ようとしていた。むくむくと顔を外界に出したダリーは、

涼子の花弁を裂かんばかりの勢いで身体を引っ張り出す。

「きゃあああああーーーー!!」

強烈な痛みに耐え切れず、涙を流して絶叫する涼子。巣の後すぐさま、第2の痛みが彼女を襲う。

涼子の股間からじりじりと姿を見せる2匹目。エビ反りになった涼子は恥丘を天に突き上げる。

やがて2匹目が、秘裂から飛び出す。外界に出たダリーは、何処へかと消えていく。

そして、痛みを癒す間もなく、3匹目が涼子からの脱出を企てる。

「い、いや・・もういやあぁぁぁぁ!!!」

涼子は叫びながら、恥部を押さえ込んだ。もうこれ以上の痛みを受けたくはないと、ダリーの脱出を

阻もうとしていた。ショック死してもおかしくない痛みを、もう2度も受けたのだ。

だが、この悪魔をいつまでも体内に封じこめる事も出来ない。覚悟を決めた涼子は再び足を開き、

ダリーを外へ導こうとする。涼子が躊躇した分、3匹目は先程の2匹よりも大きくなっしまっている。

当然その分、排出時の痛みは増していたが、涼子は涙をこらえ必死で耐えた。

「はぁ・・・はぁ・・・。あ、あと・・・あと1回・・・」

体内に残っているダリーは残り1匹。地獄の苦しみは残り1回だ。最後のダリーが膣内に侵入、前3匹のように

むくむくと巨大化を始める。と、ダリーは突然脱出を躊躇しはじめる。膣内の液を浴びるダリーの体はムクムクと

巨大化し、涼子の膣内を圧迫しはじめる。

「な、なに・・・な、なんなの!出て行って!私の体から早く出ていってぇ!」

涼子は叫ぶが、その声が届くことはない。業を煮やした涼子は自分の指を秘裂の中に入れ、

大きくなったダリーを掴み、強引に引っ張り出そうとした。

「こ、このお・・ぐ、ぐぅぅ・・う、うあああああーーーーーーーー!!!」

ズボォ!!これまでの3匹以上の大きさに成長したダリーを、強引に引きずり出した涼子は

あまりの撃痛に耐えかねて失神した。

 

 

 

悪魔を産むユリアン(後編)

 

「う・・・うぅ・・・・はっ、こ、これは・・・」

辺りが騒々しい。意識を取り戻した涼子が最初に見たものは、何かに追われ逃げ惑う人々の姿であった。

その何かとは、当然ながらダリーであった。しかも驚いたことに、ダリーはさらに巨大化していた。体長7〜8mと

いったところか。ダリーはフィブリノーゲンを取り込むために、血液ごと人間の本体を飲み込む力を得るまでに

進化していたのだ。これはもはや、体長1mmだったダリーとは全くの別物、ハイパー・ダリーといえよう。

「アレは・・・私が産み出してしまったモノ・・・・」

涼子はゆっくりと立ち上がる。一糸まとわぬ姿に唯一身に付けられていた、ブライトブレスレットをかざす。

「ユリアーーーーーーーン!」

涼子は光の巨人に姿を変える。まばゆい輝きと共に勇ましく登場するユリアンだったが、現われるやいなや

ひざまずいてしまう。

「ウ、ヴゥウ・・・。だ、ダメ・・・立てない・・・・」

ユリアンは股を押さえた。立て続けに4匹のダリーが通過していった秘裂の痛みは、ユリアンになったところで

癒えない。しかし立ち上がらないわけにはいかない。

「アレは、私が倒さなければならない・・・。例えこの身が朽ち果てようとも、私の力で倒さなければ・・・タアァ!」

固い決意をしたユリアンは自分の体内から生み出した悪魔に飛び掛る。

ダリーを捕らえ、地面に叩きつけよう振りかぶったその瞬間、ユリアンの足元に激痛が走る。

「アアアーーーーーーー!!」

別のダリーがユリアンのふくらはぎに鋭い顎を食い込ませ、エネルギーを吸い取りはじめていた。

さらにはユリアンに抱えられていたダリーも彼女の胸に飛びつき、ガブリと噛み付く。

「ヴェ、ヴェアアア!ハアアアアーーー!」

2匹のダリーを必死で振りほどく。鋭い顎がユリアンの身を裂いており、傷口からは体液が漏れていた。

エネルギー吸収元が出現した事を本能で察知したのか、いつの間にか4匹のダリーが勢ぞろいしていた。

4匹のダリーに囲まれ、たじろぐユリアン。ダリーは虎視眈々とユリアンを狙っている。

ユリアンの背中に1匹が喰らい突く。振り払おうと身体を揺するが、また別の1匹が飛び掛ってくる。

さらにまた別の1匹が彼女を襲う。鋭い牙に食い込まれた肉体を自ら削ぎながら、ダリーを振り払うが、

次から次へと鋭い牙はユリアンに迫る。4匹の悪魔に翻弄されるユリアン。

相手に決定的なダメージを何一つ与えられないまま、自身の傷は増える一方であった。

「ク、クゥゥ!ハッ!ウアアアアアーーーー!!」

股先に飛び掛られた瞬間、ユリアンは悲鳴をあげ、倒れ込んだ。

ダリーの牙は、触れてさえほしくない箇所である彼女の秘裂に、非情に突き刺さる。

「グゥア!そ、そこは!ウグアア!アア!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーーーーーーーー!!」

大地に倒れ伏したユリアンに対し、残る3匹も思い思いの場所に噛み付き、エネルギーの採取を開始する。

「ウグア!ち、ちからをっ!この悪魔達を倒す力を、私に!グ、グアア!」

何かを求めるように片手を突き上げ虚空を掴むユリアン。しかし体内のエネルギーは4匹のダリーに

みるみる吸い取られていく。股間に噛み付いていたダリーがさらに深く牙を食い込ませると、ユリアンは絶叫する。

「ギャアアアアアーーーーーーーーー!!!!」

天にむかって伸ばされていた腕がバタンと倒れ、瞳から輝きが失われる。ユリアンはピクリとも動かなくなった。

ダリーはそんなことはお構いなしとばかりに、体液の採取をえんえんと続けた。

と、突然1匹のダリーの体に異変が起こる。体がガタガタきしみだし、そのうちブシャアア!と破裂してしまった。

さらに別の1匹の体にも同様の変化が訪れはじめる。

意識を失っていたユリアンにその様子を見ることは出来なかったが、4匹のダリーは次々と破裂していった。

ダリーの吸引が無くなった事で、エネルギーの流出が止まったユリアンは、やがて目を覚ました。

「こ・・・これは・・・いったい・・・」

悪魔の亡骸が4つ、彼女の周りを取り囲んでいた。光のエネルギーを取り込みすぎたダリーは、

その強大な力に抵抗出来る強固な体を持たなかったため、自滅していった。

悪魔の脅威が無くなった事を確認したユリアンは、倒れたまま星涼子の姿に戻っていった。

「・・・わ、私は・・・勝ったんだ・・・」

その身を犠牲にしつつも、悪魔達を打ち倒したユリアン。ブレスレットのみを身につけた姿のまま、

彼女は静かに目を閉じた。

 

  ―――――――― 完 ――――――――

 

 

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