女ウルトラマン先生 第9話 ◇山から来た体育小僧◇

 

 

桜ヶ岡中学の体育祭の日が近づいてきた。どのクラスも優勝に向け練習に余念がなく、それは涼子の担任する1年E組も同様であった。

むしろ、熱血漢の涼子が率いるクラスであるため、必勝体制を敷いての猛練習であった。

いつものようにピチピチブルマー姿で生徒たちをしごく涼子。そして涼子は体育祭の華といえる女子400mリレーのメンバー選考について思案を始める。

「・・・女子で一番足が速い亜織ちゃんはアンカーで確定、その次に速いのは奈々絵ちゃんか。それから・・・」

「せんせいッ!せんせいッ!あたし、あたしを選んでようッ!!」

ギャーギャー喚くのは、式神春穂であった。山で育った春穂は足には相当の自信がある。

「うーん、でも、あなたはねぇ・・・。」

「なに?なんで私じゃダメなの?私、足はすっごく速いんだよ!」

そんな校庭でのやり取りを、微笑ましげに眺める矢的。その彼の目にふと、校庭の片隅で涼子たちをじぃっと見つめる少年の姿が写る。

「・・・なんだ?あの子は・・・・。」

 

「先生・・・・。さっきからあの子が、私たちの事をずっと見てるんですけど・・・・。」

涼子と春穂の悶着を制し、勇波亜織が涼子に話し掛ける。薄汚い格好をした少年は、ヘラヘラと笑いながら涼子の方へ近づいてくる。

「キミ・・・。どこの子?ココの生徒じゃないわよね。私たちに何かご用?」

「へへへ・・・。俺っちは、天唐山(あまからやま)から来た、体育小僧ってんだ。」

涼子の質問に、鼻水を啜りながら答える少年。

「俺っちはよぅ、争いごとが大好きなんだ。ぜひお前らと、勝負がしてぇんだ。かけっこでもなんでもいいぞ。」

「その話、乗ったぁ!」

勝手にしゃしゃり出る春穂。

「あたし達のクラスの女子リレーメンバーと競争ってのはどぉ?」

「ち、ちょっと春穂ちゃん!」

涼子は、強引に話を進めようとする春穂を諌めようとする。そして春穂は、涼子に耳打ち。

「せんせい、あたしを含めたメンバーとこの子で競争して勝ったら、あたしをリレーのメンバーに入れてよ。

 もし負けちゃったら、スンナリ諦めるからさぁ。」

「そ、そんな無茶苦茶な・・・・。」

確かに無茶苦茶な春穂であったが、目は真剣そのものであった。だが、相手はあからさまに怪しげな少年である。

格好が薄汚いのはまだしも、ニヤニヤヘラヘラと薄ら笑いを浮かべているのが気にかかる。生徒の身の安全を第一に考える涼子は適当な理由をつけて断ろうとした。

「あのね、私たちは体育祭の練習中なの。体育祭で優勝するためには余計な事しないで練習するしかないんだ。

 だから、今日の所は悪いけど、お引取り願えないかしら・・・。」

「だぁぁぁーーー!なんでぃなんでぃ。あんたこのクラスの先生なんだろ?先生がそんな弱腰でいいのかよぅ。臆病先生め。おしーりペンペン。」

体育小僧のくだらない挑発を無視する涼子。分別ある大人として、良識ある対応をせねばならない。

「まったく、先生も臆病モンならお前ら教え子もみーんな臆病モンだぜ。弱腰先生に弱腰生徒め。おしーりペンペン。」

「な、なんですって!?」

思わず反応する涼子。自分の事はまだしも、可愛い教え子達をコケにされたら黙っていられない。

「よぅし、やってやろうじゃないの!みんな、E組魂を見せつけてやるのよ!エイエイオーー!!」

「そうこなくっちゃ!えいえいオー!!」

盛り上がっているのは涼子と春穂のみ。他の生徒にとってはいい迷惑であった。

 

 

 

そんなこんなで、E組女子リレーメンバーと、体育小僧との徒競走が始まろうとしていた。第一走者の春穂はやる気満々。

グっとクラウチングスタートのポーズを取る春穂のとなりで、体育小僧は手足をぶらぶらとさせてくつろいでいるだけであった。

容赦なく飛ぶ涼子の叫び声。

「行くわよ!位置について、よーーーい、ドンッッ!!」

猛スパートをかけるのは春穂。その後を、体育小僧が適当な足並みで追走。自信があるだけに春穂の足は確かに速かった。

だが、体育小僧との差はやがてみるみる縮まり、あっさりと追いつかれ、追い越されてしまった。

「やっぱり、ね・・・。」

頭を抱える涼子。春穂は確かに足が速いが、たった100mの距離でもペース配分が出来ずに、途中でバテてしまうのである。

ようやくにして第二走者へのバトンパスまでこぎつけたが、すでに千鳥足である。涼子がメンバー選出を渋るのも無理はなかった。

大きくリードした体育小僧。第二走者、第三走者がどんなに頑張ってもその差は縮まらない。むしろ広がる一方であった。

春穂のメンバー入りは風前の灯火といえたが、それでも春穂は、ゼェゼェと肩で息をしつつもニヤリとほくそえむ。

「はぁ、はぁ・・・。だ、だいじょうぶ、亜織ちゃんはめっちゃ足が速いから、絶対追い抜いてくれるもん、はぁ、はぁ・・・・。」

アンカーの亜織にバトンが渡る。亜織の足は抜群に速い。中学生女子とは思えないくらいの猛スピードであった。

涼子がいの一番でリレーメンバーに選出するのは当然であった。そして春穂の目論見通り、体育小僧との差はみるみると縮まっていく。

だが、当の亜織は走りながら、前を行く体育小僧に不気味な印象を抱く。

「・・・この子、あれだけ速かったのに、こんなに急に、ペースが落ちるなんて・・・。」

そう、亜織が追いついているというよりも、体育小僧のペースが異様に遅くなったのだ。やがて横に並ぶ両者。体育小僧は亜織に話し掛けた。

「へへへ・・・。なかなかやるでねぇの。でも、俺っちには絶対勝てねーぞ。」

「!!・・・こ、この子・・・・・!?」

驚く亜織。無理もない。体育小僧は、走っているフリをしつつ、宙に浮いているのだ。

「さぁて、この辺で終わりにすっか。ベンベロべー!」

小僧がベロっと舌を出す。すると突如、亜織の足がもつれてすっ転ぶ。

「きゃああっ!」

なんと、亜織のブルマーが勝手に膝下にずり落ちていた。転ぶのも無理はない。その間、体育小僧は悠々とゴールイン。

「ぃやったぁぁぁい!俺っちの勝ちだ!俺っちの勝ちだーい!」

思わず体育小僧の元へ駆け寄る春穂。

「ち、ちょっと待ってよ!なんか納得いかない!こんなのってないわ!もう一回やり直し!」

「うるせーやい!お前もこうしてやる!ベンベロべー!」

小僧が舌を出すと、今度は春穂のブルマーがズリ落ちる。しかも今度は下着まで下ろされたからたまらない。

「い、いやぁぁぁぁん!!」

慌てて可愛らしいワレ目を隠してヘタリ込む春穂。

「うひゃひゃひゃ。お前らみーんなこうしてやるぅ!ベンベロベロベロベー!!!」

体育小僧が何度も何度も舌を出し入れする。すると、1年E組女子生徒のブルマーが次から次へとズリズリずり落ちる。

「きゃああ!」

「な、なによこれぇ!?」

 

 

 

校庭に響く女子生徒の黄色い悲鳴。そして男子生徒の喚起の声が沸きあがる。無責任極まりない男子生徒を叱責する涼子。

「コ、コラ、男の子たち!何見てんの!?」

そして春穂は、いそいそとブルマーを履きなおすや、体育小僧に無鉄砲につっかかる。

「よ、よくもやったわねぇぇぇ!!」

ポコスカと殴りかかるが、体育小僧は意に介さない。

「へへへへ・・・。お前よく見ると、可愛い顔してるじゃねぇか。」

「へ?カワイイ?あたしが?ホント?もう一回言って!」

能天気に喜ぶ春穂。

「ようし、お前らに勝った褒美として、お前を山に連れて帰るぞ。ぃやっほぉぉぉぉう!!」

体育小僧は、春穂を抱えあげると足早に立ち去っていく。

「きゃああああ!り、りょうこせんせ〜〜〜〜〜い!!!」

あまりに突飛な出来事に対応できず、思わずぼんやりしていた涼子に向かって叫んだのは、矢的猛であった。

「涼子先生!早く式神を追わないと!」

「そ、そうだったわ!コラ、待ちなさぁッッッッ!」

「り、涼子先生!」

すってんころりんとズッこける涼子。彼女もまた、ブルマーをずり下ろされていたのだ。慌ててブルマーを履きなおすや、キッと矢的を見上げる涼子。

「気づいてたのなら早く言って下さいッッッッッ!!!!」

はき捨てるように言い放ち、体育小僧を追いかける涼子。少し申し訳なさそうな顔をしつつ、矢的も後を追う。

「・・・あの少年は、まともに追いかけても捕まらないだろうな・・・・。」

 

逃げる体育小僧に追う涼子。涼子の足は決して遅くない。いや、体育教師をしている位だから、速い方である。なのに、一向に体育小僧に追いつけない。

「ハァ・・・・ハァ・・・・。な、なんて子なの・・・・。とても、人間とは、思えない・・・・。」

さしもの涼子も足がもつれて来た。だが、このままでは春穂が連れ去られてしまう。涼子は死力を振り絞り、全力疾走を続ける。

「涼子先生!あとは僕に任せるんだ!」

「や、矢的先生!」

涼子の横をすり抜けていく矢的。彼は颯爽と、しかし必死の形相で自転車をこいでいた。

「(ユリアン・・・・。ウルトラの力を使えば、あの少年の正体を知ることも、式神を助ける事もラクなのに・・・・。あくまで地球人として、頑張りたいんだろうな・・・。

 だったら僕も、おいそれと力を使うワケにいかない・・・。けど・・・・。こりゃ大変だ・・・・)」

矢的の自転車をもってしても、小僧に追いつくのは容易では無かった。だが矢的もまた全力を振り絞り、なんとか体育小僧に追いつく。

小僧の体に飛びつくや、春穂を奪還。ひっしと春穂を抱きしめる矢的。

「うえ〜〜〜ん!涼子せんせ〜〜〜い!こわかったよぅ〜〜〜〜!!」

「もう大丈夫だ、式神。」

「なんだ、矢的先生じゃん。」

「なんだは無いだろう!!」

 

 

 

「やい、その娘っこを渡さないかぃ!」

矢的と春穂に歩み寄る体育小僧。

「ぶぇ〜〜〜〜だ!あんたみたいなエッチマン、大ッッッッ嫌い!」

「そういう訳だ。おとなしく山へ帰るんだな。」

そこへ、息をはずませながら涼子が駆けつけた。

「ハァ、ハァ・・・・。春穂ちゃん、大丈夫?」

「うん!先生、早く帰ろうよ。」

早々と立ち去ろうとする3人を黙ってみている体育小僧ではない。

「ぢ、ぢくじょ〜〜〜。これでも喰らえ!ベンベロベーーーッッ!!」

相も変わらずのブルマー脱がし念力をかます体育小僧。だが、春穂のブルマーはあっさりとズリ落ちるも、涼子のそれは落ちていかない。

「何度も同じ手は喰らわないわよ!」

涼子は両の手でしっかりとブルマーを引っ掴み、ズリ落ちるのを阻止していた。

「だったらこうだ!ベンベロべー!!」

「きゃああああ!な、なんなの!?」

今度は、涼子のブルマーが上へ上へと食い込んでくる。頭の悪い体育小僧は、ブルマーを上から脱がそうとしているのだ。

「ぅ、ぐぐぐ・・・。い、痛い・・・。こんな、激しい・・・・。あぁぁぁ!!!」

ただでさえ激しく食い込んでいる涼子のブルマーがグイグイと上に引っ張られ、大事な個所に激しい痛みが襲い掛かる。

痛みに悶え苦しみ、やがてへたり込む涼子。

「は、ぁぁぁああっ!!い、痛い、はぁぁぁぁん!!」

「矢的先生!早く涼子先生を助けてあげてよ!」

「あ、あぁ、だがな、場所が場所だけに、その・・・。」

矢的も涼子を助けたいのはやまやまだが、どうすりゃいいのかわからない。悶える涼子をただ呆然と見つめるほか無かった。

ようやくにして、ブルマーは上からは脱がせられない事に気づいた体育小僧は、正攻法で下から引っ張る。

その勢いがあまりにも激しかったのか、涼子のブルマーはスッポリと脱がされてしまう。

「!!ようし!!」

矢的はそのブルマーを手にするや、体育小僧の顔に覆い被せる。体育小僧にとってちょっと嬉しい攻撃だが、視界が奪われたのだからたまらない。

「うわぁぁぁぁ〜〜〜!ま、前が見えない〜〜〜〜〜!!・・・でもなんかイイ匂い・・・・」

「式神、今のうちに逃げるぞ!」

「えぇぇ!?涼子先生は!?パンツ丸出しじゃかわいそうだよ!」

「彼女なら大丈夫だ!さあ、早く!」

四の五の言う春穂の手を引き、そそくさと立ち去る矢的。

ブルマーの足の部分を見開いて視界を取り戻した体育小僧は、くかーくかーと鼻で息をしつつ、フラフラと立ち上がる涼子と対峙する。

「ぐぐぐぅう・・・。こ、こんな屈辱はじめてだ・・・・。」

「あ・・・あなたは一体、何者なの?」

「俺っちは・・・俺っちは、天唐山の守り神だぞぅ!俺っちを怒らせると、怖いぞぉぉぉぉ!!!!」

体育小僧は、姿を変えつつ巨大化する。天唐山の守り神である、護神怪獣ドドランマへと変貌した。

 

 

 

 

巨体にモノを言わせ、大暴れするドドランマ。相手が怪獣とあらば容赦はいらない。颯爽とブレスレットを掲げる涼子。

「ユリアン!!!」

美しき女戦士、ユリアンが登場。暴れるドドランマを諌めようと組み付くも、あっさりと投げ飛ばされる。

ムクリと起き上がり、ドドランマに鉄拳制裁を試みるが、パスっパスっと鈍い音がするだけで効果が無い。

得意のキックも、いつにもましてキレが無かった。

 

心配そうにユリアンを見上げる矢的と春穂。

「・・・ユリアン、小僧を追いかけた時の全力疾走ですでに体力が尽きてるんだ・・・。」

「へ?なんのこと?」

 

自身の動きの鈍さをいぶかしがるユリアン。そしてドドランマは高らかに言い放つ。

「ドゥへへへへ・・・。ユリアンも大したことないなぁ・・・。今度はコッチからいくぞう!!」

相撲タックルでユリアンを吹っ飛ばすドドランマ。そして大の字のユリアンの腹めがけ、全体重を乗せたフットスタンプをぶちかます。

「ヴェグッァアアアアーー!」

ぐにゅっと凹むユリアンボディ。腹を抑えて悶絶するユリアンを無理やり抱き起こしたドドランマは、ユリアンの肩口にガブリと噛み付く。

小さく痙攣し、悲鳴をあげるユリアン。必死で振りほどこうと、数発チョップを叩き込むも、ドドランマは涼しい顔。

やがてチョップに鬱陶しさを感じ始めたドドランマは、ユリアンのボディに膝蹴りをぶち込む。

「ヴグゥアァ!!フ、ヴヌゥゥ!!ヴハァッ!ヴェハァァッ、ク、フゥゥ・・・」

やがてその内の一発が、ユリアンの股先にヒットする。

「ヴェアアアアアッッッッ!!!!」

股を押さえ込みながら、崩れ落ちるユリアン。腰を突き上げうつ伏せに悶えるユリアンを仰向けにしたドドランマは、

持てるエロ魂に火が付いたか、ユリアンの柔らかい恥丘に牙をむく。

「ヴェギュアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」

強烈な痛みがユリアンを襲う。足をバタつかせたり、ドドランマの顔を引っ掴んでなんとか振り払おうとするが、牙はますます激しく食い込む。

そしてドドランマは、長い舌をベロっと伸ばし、ユリアンの秘所をペロペロと舐めまわしはじめる。

「ヴグ、フヌゥアァァ・・・・。ンヴ、ゥア゛ア゛ア゛・・・・。ヴェア、アァァン・・・・。」

ユリアンの悩ましげな肢体とうめき声にますますエロ魂を燃やすドドランマは、あろう事かユリアンの菊穴をもペロペロと舐めはじめた。

「ヴェ、ヴェアアアッッッ!!!」

たまらずユリアンは両手に力を込める。そこにはドドランマの目があり、期せずして目潰し攻撃が成功。

ドドランマがひるんだ隙に、なんとか脱出成功。肉体的&精神的ダメージは大きいが、攻めるチャンスは今しかない。

目を抑えて悶えるドドランマに飛び掛ろうとするユリアン。その時、ドドランマの咆哮が響く。

「ベンベロベァ〜〜〜〜!!!」

長い舌が出し入れされるや、ユリアンの周囲を見えない力が取り囲む。ドドランマは念力攻撃により、ユリアンの身の自由を奪い去った。

「ヴェ、グフゥアァァ!!」

「ドゥヘヘヘヘ・・・・。徹底的にいたぶっちゃうぞ〜〜〜〜。」

不気味な笑みを浮かべるドドランマ。逃げようにも、身体が動かないユリアンには成す術がない。

まずドドランマは、ユリアンの左右の足を念力で引っ張る。ズルズルと足を広げられ、やがて立つこともままならなくなり、仰向けにぶっ倒れるユリアン。

それでもなお開脚責めは止まらず、それはやがて股裂き攻撃へと移行される。

「ヴェア、クゥ、ヌグゥゥゥ・・・・。」

苦しむユリアンが、やがて大きくエビ反りはじめる。ドドランマ念力は、ユリアンの首と背骨を大きく反らしはじめた。

さらには、ユリアンの豊満な乳房が右へ左へ、上下へ歪む。念力の力によって、あらゆる方向へ引っ張られていた。

「ヴェア、ムギュゥアアア!!ヴフェアア、ヴフゥゥウゥアァァァ!!」

 

 

 

「や、矢的先生!このままじゃ、ユリアン殺されちゃうぅぅ!!!」

「クッ・・・・。いいか式神、ここで大人しく待ってるんだぞ!」

「せ、先生どこ行くの!?」

 

「ヴェガハァァ!!ヴグゥ、ヴグァァァ!!ヴェア、クゥ、フゥゥゥ!!!」

ユリアンの喘ぎ声が響く。傷つけられた股先からは体液がポタポタと滴り、首と背骨がミシミシと音を立てる。

乳房が引きちぎられそうになる度に、ビクビクと痙攣するユリアン。

「よぉっし、そろそろトドメだぁぁぁぁ!!」

ユリアンの悶え苦しむ姿を堪能したドドランマは、仕上げにかかる。ユリアンの胸、腹、恥丘が、左右にグイグイと引っ張られる。

ドドランマは念力により、ユリアンの身体を左右に引き裂こうとしていた。

「ヴェア!ヴェア!ヴェア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーーー!!!!」

皮膚がビチビチと裂けはじめ、今にも真っ二つに寸断されそうになったまさにその時、ユリアンの身体を蝕む恐怖の念力が打ち消された。

「そ、そんな!?どういう事だぁ!?」

自慢の念力が通用しなくなり、慌てふためくドドランマ。矢的はユリアンの傍らで精神統一し、ウルトラ念力によってドドランマの念力を相殺した。

ようやくにして身体の自由を奪い返したユリアン。すこし首を振りつつ、ゆっくりと立ち上がる。

「ユリアン、やるなら今しかないぞ!」

叫ぶ矢的。だがユリアンは必殺のサクシウム光線の体勢を取ろうとはせず、ドドランマの方へしずしずと歩み寄る。

念力が通用しなくなったドドランマは、ただ怯えるばかりであった。そのドドランマの目をじっと見つめるユリアン。

「ど・・・・どういうつもりなんだぁ・・・・。俺っちを殺さないのか・・・・?」

「・・・・そうか・・・・。そういう事か・・・・。」

やがて矢的は、ドドランマを見上げて叫んだ。

「おい、体育小僧!聞こえるか!?ユリアンはお前を殺そうとはしていない。お前は根は悪い奴じゃない。確かに今は半人前で、

 未熟な所もあるかもしれんが、お前は一応、山の守り神なんだからな。」

「ぅ、ぅぅぅ・・・・。」

「だからお前とは殺し合いじゃない、別の方法で雌雄を決しようとしているんだ。」

そうだろう、ユリアン?と、ユリアンを見上げる矢的。ユリアンは何もいわず、矢的を見下ろしつつ大きくうなづく。

「べ、別の方法って・・・・。」

「そうだな・・・・。お前の好きな、かけっこなんかどうだ?ウルトラ戦士だったら、相手にとって不足は無いだろう。関東一周のかけっこで決着をつけろ!」

その言葉を聞くや、ユリアンは傷ついた身体を押して、クラウチングスタートのポーズを取る。

「よ・・・・よぉぉぉぉし!!」

その隣に並び、スタンディングスタートのポーズを取るドドランマ。

「位置について、よぉぉぉい、ドォォォン!!」

矢的の号令の元、両雄は駆け出す。ズシンズシンと地響きを立てつつ、しっかりと両の足で大地を蹴り、走るユリアンとドドランマ。

やがて矢的の視界から2つの巨体が消えるが、間もなくゴール地点に近づいてくる。相譲らぬ両雄。そして、決着はついた。

爽やかで健全な勝負に満足したドドランマは、自らが生まれ、自らが守る地である天唐山へ歩を進め、ユリアンは天空へと消えていった。

「一人前になって、立派な体育野郎になった時、また来るんだぞ・・・・。」

矢的はドドランマ、いや体育小僧を一人見送った。

 

雲ひとつ無い晴天は、山の神からの祝福だろうか。桜ヶ岡中学の体育祭は、つつがなく開催された。

『続いての種目は、教師参加による借り物競争です』

放送が鳴るや、気合一閃立ち上がるブルマー教師涼子。教え子達にイイ所を見せようと俄然張り切り、猛烈なスパートで封筒に飛びつく。

だが、そこで立ち止まってしまった。

「眼鏡、が、がんきょう?コレなんて読むのーーー!?」

 

その夜、涼子の部屋に一通の手紙が届いていた。差出人の名前は書いてなかったが、文面を読めばわかる。

ウルトラマン80からの手紙であった。

”地球の風習にならい、僕も手紙という物を書いてみた。君の活躍はいつも見守っている。今回の件では、

 君が戦士として正しい方向へ成長している事を、しっかりと認識できた。これからも、一生懸命、一所懸命に頑張ってほしい。

 君が一日も早く、一人前の戦士になれる事を心から願っている。その時僕は、君から少し距離を置いてしまうかもしれないが、

 それは喜ぶべき事。その日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれない・・・・。

 P.S.漢字の勉強は、もう少ししっかりした方がいいな。君の手紙は誤字だらけだぞ。”

「相変わらず一言多いわね・・・・。それにしても・・・・。」

手紙を見ていぶかしがる涼子。

「わざわざ地球に来て、しかもこの近くから投函したのかしら。・・・・まぁ、どうでもいっか。」

 

 

 

                                   ― 続く ―

怪獣ファイル VOL.6

護神怪獣ドドランマ
その正体は、天唐山の守り神にして、争い事大好き&エロエロ悪ガキの体育小僧。
修行中&半人前の守り神ゆえか、我侭だったりエロベクトルに走りすぎたりとやりたい放題。
得意の念力は、もっぱらエロのために行使される。

得意技・・・念力攻撃 噛み付き攻撃 ベロ攻撃   弱点・・・未熟な所があり、言動もガキっぽい。

 

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