女ウルトラマン先生 ◇封魔の宿命◇

 

 

残業のために帰りが遅くなったOL。ミニスカートの似合うすらっとした肢体の彼女。自分でも、こんな夜遅くに1人で歩くのは危険であると

わかっていた。もしこの場に、欲望を押さえる事の出来ない不埒な者がいたら、迷わず彼女は襲われているだろう。

だが彼女に目をつけたのは、この世の者では無かった。

彼女の前に突如現われた、醜悪極まりないその物体。目も鼻も口もなく、手とも指ともつかぬ触手めいたものをウネウネと揺り動かしている。

彼女は感じた。その物体が発する気配は、世の男性陣が抱く、女への性的欲望である事を。ダッと駆け出す彼女であったが、

物体は浮遊しているためか、事も無げに彼女に追いつく。ビリビリと衣服を切り裂き、その肢体を触手で巻き込む。

女体の感触を堪能しつつ、太い触手を彼女の口にねじ込んだ。悲鳴をあげる事もままならなくなった彼女は、

太い棒の出し入れをただ受け入れるのみであった。棒の先から不気味な、ねとついた液が口内にぶちまけられる。

甘酸っぱい臭気が鼻孔をくすぐる。棒はなお、彼女を苦しめ続ける。淫行は、彼女の命が奪われるまで続くかに思えた。

だが、そこに現われた何者かによって、彼女は救われる事になる。現われたのは、年の功12〜3歳の少女である。

戦国の時代を生きた忍(しのび)、くのいちの衣装に似た、軽やかかつ、どこか淫靡な雰囲気を漂わせる装束を身に纏い、

その右手には一尺程の長さの小太刀が握り締められている。女体を弄んでいた物体は、己に対して戦闘の意を表すその少女に標的を変える。

少女は鞘から小太刀を引き抜く。月夜に照らされた刀身が眩しく輝く。あっという間にその物体に近づいた少女は、

ある一点めがけて小太刀を突き刺した。急所だったのであろうか、物体はあっさりと活動を停止させられる。

続いて少女は奇妙な行動に出る。抜き取った小太刀を左手に持ち替え、右手を自分の秘所に這わせた。装束の裾の内側から、

可憐な少女には似つかわしくないとさえ思えるような、クチュクチュとした隠匿な音色が響く。物体を刺し貫いた時でさえ表情一つ変えなかった少女が、

瞳を閉じてすこしだけ息を荒げた。頬も若干紅潮している。一瞬ビクっと震えた少女は、濡れた右手の指を小太刀の刀身にスゥっと擦りあわせる。

刀身の輝きが増した。少女は再び、物体にその小太刀を突き刺して小さく呟く。

「・・・悪霊、退散・・・。」

やがて物体は、跡形も無く消え去った。少女は襲われていた女性に一瞥もせず、闇に消えていった。

 

「ハイ、みんな2人一組になってーーー!」

ブルマー体育教師、星涼子の元気な声が響く。そして涼子は1人の女子生徒の近くへ歩み寄る。彼女の名は、勇波亜織(いざなみあをり)。

1年E組の担任となって数ヶ月がたち、大抵の生徒達と心通わせてきた涼子だが、彼女とだけはうちとけていなかった。

彼女の方が、涼子、いや全てのクラスメートに対して一定の距離を置いているように思えた。

HRなどでも、彼女はずっと窓の外を眺め、涼子の話をあまり真剣に聞こうとしない。

体育の時間、2人一組の指示を出せば、必ず彼女が1人残る。だから涼子はいつも、彼女とペアになる。

涼子はそのたびに、他愛も無い事などを話し掛けてみる。

「亜織ちゃんって、運動神経いいよねー。小学校の時、何かやってたの?」

「・・・いえ・・・。」

「せっかく運動神経いいんだからさ。何か部活動をすればいいのに。亜織ちゃんだったら、どの部に入っても活躍できるよ、きっと。

 やってみたいスポーツとかは、無いの?」

「・・・とくにありません・・・。」

万事が万事、こんな調子であった。運動神経は抜群によく、成績も優秀だ。なによりその美しい顔立ちは、

クラスで一番の美少女と言い切って良いほどだ。そんな彼女の周りに人が寄り付かないのは、やはり彼女から、

何か近寄りがたい空気が発せられているためであろう。2人一組のストレッチで肌を寄せ合っていながらも、涼子は彼女との間にある

絶対的な壁の存在に気がついていた。いつまでもこのままではいけない、そろそろ心と心を通じ合わせなければならない時期ではないか。

そう考える涼子であったが、当の亜織は淡々としている。ただ漠然と、中学校生活を送っている感じである。

亜織は突然、険しい表情になる。何かを察知したのか、しきりにどこかを見つめている。

「亜織ちゃん、どうかしたの?」

「・・・アミダラ・・・。」

涼子にとって意味不明の言葉をか細い声で発した亜織は、校庭から走り去っていく。

「あ、亜織ちゃん、何処へ行くの!?」

亜織は一旦1年E組の教室に戻り、カバンの中から布に包まれた棒状の物を取り出す。

「・・・こんな時間に現われるなんて・・・。」

亜織は校外へ駆け出していった。1年E組の生徒達は、それ程気には止めない。こう言ってはなんだが、いてもいなくてもさほど影響は無い。

亜織の存在感は、その程度であった。だが、涼子にとってみればそれでは済まされない。

「・・・・みんなゴメン!私、亜織ちゃんを追うから後よろしく!」

涼子は亜織の後を追う。『アミダラ』という言葉を発した時の彼女の目は、今まで見た事も無いような険しい瞳であった。何か強い決意をしたような、

それでいて何かに怯えているかのような、不可思議な瞳であった。今彼女を追えば、

彼女が他人との間に壁を置く理由が何かわかるかもしれない。すでに亜織姿は見えないが、気配を頼りに後を追う事にした。

 

 

 

亜織は高い木々がそびえる雑木林にいた。昼でも陽の光が差し込まず鬱蒼としており、中学一年生の少女が1人で足を踏み入れるのには

少し勇気がいるような場所であった。だが亜織は平然と奥へ進んでいく。あれほど強く感じた気配が、今は感じられない。

おそらくこちらの存在に気がつき、身を潜めているのだろう。一歩ずつ慎重に歩を進める亜織が、ピタリと一箇所に留まる。

「・・・・下!?」

亜織が立っている地面がボコっと盛り上がる。ジャンプした亜織めがけ、ギュンと触手が伸びてくる。瞬く間に亜織に接近した触手は

亜織の足を絡めとリ、大地に叩きつけた。

「あぅッ!」

大地から現われた怪奇な物体は、無数の触手を亜織に向けて伸ばす。亜織は布袋から小太刀を抜き出し、足を束縛する触手に切りつける。

迫り来る触手群に小太刀を振るい、次々に切り落としていく。だが、触手の数はあまりにも多い。亜織の右手に絡みついた触手は

彼女のか細い腕をギリギリと締め上げる。思わず護身の小太刀を落としてしまう亜織。

「ッ!・・・・しまった!!」

だが、亜織は小太刀を拾う素振りをみせない。その両手は、彼女の恥丘へと押し当てられた。ブルマーの上から、しずしずと縦すじをなぞる。

触手は亜織の首と足を絡め取りつつ、ぐりぐりと背骨を押付けて軋ませる。

柔らかい亜織の身体が大きくエビぞる。

「ゥゥ、グ・・・。ンン、クゥ・・・。」

苦しげな表情の亜織。頬が紅潮しているのは、今だ秘所へのまさぐりが続いているためである。白いTシャツ越しに浮き上がった乳頭の位置に

触手が這う。思わずピクっと反応する亜織。その反応を面白がったかどうかわからないが、触手はTシャツの中に侵入を始める。

身体を大きく反らされているせいで、亜織の乳房に弾力は無い。だがその先端にある薄いピンク色の突起は、少女とはいえ女である事を

象徴する部位であった。触手がそこにじかに触れるたびに小さな痙攣を起こす。息を荒げつつ、亜織はブルマーの中に右手を押し込み、

恥裂に直接指を触れさせる。激しく指を動かし、溢れ出る女蜜を手に絡みつかせた。そして手を引き抜くや、濡れぼそった手を見つめて

精神を集中させる。亜織の手にまとわりついた液体が、徐々に光り輝いていく。それはやがて、光球と化していった。

「破!!」

亜織は掛け声と共に、その光球を触手群の本体めがけて撃ち放った。触手の締め付けが弱くなり、やがて亜織は身体の自由を取り戻す。

一息ついた後、地面に落とされていた小太刀に手を拾おうとする。だが、再び躍動を始めた触手がそれを阻んだ。

「アゥッ!・・・そ、そんな・・・・」

亜織が放った光球は、今亜織を襲っているモノに対しての有効な攻撃手段だったのだろう。それがあっさりと敗れたためか、亜織はショックを受ける。

いともたやすく四肢を拘束され、身体のあらゆる箇所に触手を巻きつかれる。やがてその内の一つが、亜織のブルマーの脇から

秘所めがけて入り込もうとする。

「イ・・・イヤァァァッ!!」

必死に身をよじり、抵抗しようとする亜織。触手は亜織の恥裂でなく、ピンク色の菊座をまさぐり始めている。

「!!こ、肛虐のアミダラ・・・!?キャアアアッ!!」

侵入をはじめた触手は太さはさほどでは無い。だが、不浄の箇所の中に、不気味にうごめく触手を入れられた苦しみは大きい。

「ン、ンァ・・・イ、イャ・・・・。ハァァ!ン、ンンッ!ハァ・・・ゥンン!!」

あまりの不快さから、頬に涙が滴り始める。触手によって両足は大きく開かれ、

膨らみかけの胸に触手の先端がグリグリと押付けられる。少女にとってはあまりにも凄惨な経験であった。

 

「あ、亜織ちゃんッッッ!!」

聞き覚えのある声が、亜織の耳に届く。担任の星涼子が現場に駆けつけた。

「・・・せ、先生・・・。き、来てはダメ・・・・。」

その小さな声は涼子には届かない。並みの人間であれば、見ただけで怯え、絶叫するであろう奇怪な生き物に対して、涼子はズカズカと接近する。

「こ、この化け物!私の教え子に何すんのよ!」

足元の石を化け物に対して投げつける。化け物は、亜織への凌辱を止めようとはしない。涼子は木の棒を掴むと、

果敢にも化け物に立ち向かっていった。

「コノッ!コノッ!亜織ちゃんを放しなさい!」

すると化け物は、亜織をあっさりと解放する。それは、涼子の願いを聞き入れたのではない。化け物の欲情が、成長途上の亜織の身体よりも、

妙齢で艶やかな肢体を持つ涼子に対して向けられたからである。

「う、うあああッ!な、何!?何なの!?」

先ほどまで亜織がされていたように、グっと四肢を引っ張り上げられる。両足は不恰好に左右に引っ張られ、無数の触手が涼子の盛り上がった

恥丘を這う。涼子のブルマーに潜伏していった触手は、涼子の尻を犯しはじめていった。

「な、なに!?きゃあああああああああああああああ!!い、いやあああ!やめてええ!!ど、どこ触ってんの!?」

亜織よりも遥かに熟れた肉体は、化け物にとって最高の獲物となったのか、豊満な乳房や柔らかい恥丘をまさぐる。

「う、うああぁ!ハ、アアッ!ン、グアアア!イ、イヤ・・・。き、気持ち悪い・・・・。!!キャアアアアアアアッッッッッ!!アァ!アァ!」

肛門にねじ込まれた触手が激しいピストン運動を始める。ほのかに涼子の顔が上気しはじめる。

「悪霊退散!」

涼子を救わんと、亜織が小太刀を本体へと突き立てる。涼子の身体から触手がわらわらと離れてゆき、本体もろとも地中へと沈んでいく。

「ハァ・・・ハァ・・・。あ、亜織ちゃん・・・。あ、あのエッチな化け物、一体なんなの・・・・?」

「・・・まだ・・・まだ、終ってない・・・。」

亜織は、今だあの化け物が涼子の身体を狙っている気配に気がついていた。その時、ふと涼子の濡れたブルマーに目を奪われる。

しゃがみこみ、涼子の股に顔を寄せる亜織。思わず下半身をよじる涼子。

「あ、亜織ちゃん?何を見てるの・・・?」

「・・・先生の・・・聖濡・・・・。」

「せ、せいじゅ?」

すると亜織は涼子のブルマーの脇から指を入れ、黒い茂みを掻き分けるや、2本指を涼子の恥裂にねじ込んだ。

「やッ・・・・。あ、亜織ちゃん、ダメ・・・・。や、やめて・・・。あッ!いたィ・・・」

亜織はぎこちない指使いながら、涼子の性感帯を刺激する。時々ピクっと反応し、吐息を漏らす涼子。

「ゆ、許して亜織ちゃん・・・あぁッ!こ、このままじゃ・・・んぁ、ん・・・せ、せんせい・・・イ、っちゃ・・・ンゥゥ!」

液を発しながら、腰が砕けそうになる涼子。亜織はやや乱暴に指を引き抜くと、大量の液がまとわり付いた指をじっと見つめる。

「・・・は・・・ぁあ・・・・。あ、亜織ちゃん・・・・。な、何・・・?」

亜織は小太刀の刀身に、涼子の液を塗りつける。刀身は、凄まじい光を発しながらギュンと伸びる。

その時2人の背後から、あの化け物が飛び出してきた。亜織は化け物めがけ、長剣の如き刀身となった小太刀を突き立てた。

本体を刺し貫かれた化け物は地に崩れ落ち、動けなくなる。そしてそのまま、霞となって消滅していった。

「あ・・・亜織ちゃん・・・。あの化け物、一体なんなの・・・。」

「・・・先生・・・。この事は、忘れてください・・・。」

亜織はそう呟くと、服の乱れを直しつつ走り去っていった。

「あ、亜織ちゃん待って!つあ・・・」

化け物に犯され、さらに亜織にも責められて体力を無くし、へたりこむ涼子。

「亜織ちゃんがあんな事する子だったなんて・・・。」

涼子はしばらく股をさすっていた。

 

 

 

涼子が学校に戻ってきた時、亜織はいなかった。副担任の矢的に聞いてみる。

「・・・亜織ちゃん、見ませんでした?」

「勇波ですか?いえ、見てません・・・。あいつがどうかしたんですか?」

「いえ、なんでも無いです・・・。」

矢的は人当たりがよく、涼子の話を真剣に聞いてくれる。意外と頼りになる面もあり、涼子はいろいろと相談する事が多かった。

だが今回の件だけは、矢的に何も話せなかった。亜織に忘れてくれと言われたから、だけではない。亜織も、そして自分も、

得体の知れない化け物に襲われたのだ。それも、どう襲われたのかと聞かれたら、答えに困るような責めである。

涼子は学校が終ると、真っ直ぐに亜織の家へ向かった。

亜織の家は、和風の古びた家屋であった。呼び鈴のたぐいはなく、涼子はガラガラと扉を開けて声を発する。

「ごめんくださ〜〜〜い!桜ヶ岡中学の、星涼子です。」

奥から、和服を着込んだ美しい女性が現われる。

「どうも、こんにちは・・・・。亜織がいつもお世話になっております・・・。」

「こ、こんにちは・・・。あの、亜織さん・・・。妹さんは、帰ってきてますか?」

「え?・・・ウフフ、いやですわ先生。私、亜織の母親です。勇波茜と申します。」

「お、お母さん!?ず、随分とお若いですね・・・。」

「ありがとうございます。さ、どうぞおあがり下さい。」

亜織の母親に促され、応接間に座らされる涼子。亜織の母親は涼子に茶を差し出し、ニッコリと微笑む。

「ウフフフ。随分とお若くて、綺麗な先生ですわね。」

「そ、そんな・・・お母さんこそ・・・。」

亜織は正直に言った。亜織の母親は、中学1年生の娘がいるとは思えないほど若くて美しい。美少女の亜織をそのまま成長させたような、

魅惑的な雰囲気だった。整った顔立ちに、亜織との血のつながりをかんじさせる。若干の違いといえば、亜織の瞳が深い紺色をしているのに対し、

母親は朱色がかった瞳をしている事ぐらいだろうか。

「あの、亜織さんはいらっしゃるんですか?」

「今あの娘、お風呂に入っているんです。」

「お、お風呂ですか・・・。それじゃ、少しだけ待たせていただいて構わないでしょうか?」

「ええ・・・。でもあの娘、とってもお風呂が長いんですの。今日も帰ってくるなり、ずっと入りっぱなしで・・・。」

 

湯船に浸かっていた亜織がゆっくりと立ち上がり、洗い場へ出る。そして亜織は、自分の身体をまじまじと見つめた。

乳房を軽く掴んでみる。ほんの少し前まで全く膨らんでいなかったはずなのに、このところ日を追うごとに柔らかくなってきている。

腰もくびれはじめ、徐々に大人の女へ成長しているのが見て取れる。そして亜織は、わずかに生えはじめていた薄い陰毛をギュっと掴んだ。

「・・・・ンッ!」

亜織は力任せにそれを引き抜いた。

 

亜織の母は一旦時計を見やってから、涼子に話し掛けた。

「亜織は、学校での様子はいかがでしょうか?」

「は、はい。成績も優秀ですし、運動神経も凄く良くて、とってもいい子だと思います。ただ私ばかりでなく、クラスの子達ともうちとけていないような・・。」

「・・・小学校の時からそうでした。変に人見知りする子になってしまって・・・。やはり若い母親って、駄目なんでしょうか・・・・。」

「い、いえ、そんな事は、無いと思いますけど・・・。」

そして2人は無言になる。亜織は一向に現われない。時間だけが刻々と過ぎていった。涼子は思わず、亜織が言ったあの言葉について聞いてみた。

「あ、あの・・・・。亜織さんが言っていたんですが・・・。『アミダラ』って、なんの事なんでしょうか・・・。」

「悪魅堕羅(アミダラ)・・・。あなたは、悪魅堕羅を見たんですか?」

「あの化け物ですよね。・・・私あの化け物に襲われて、亜織さんに助けてもらったんです・・・。」

「そうだったんですか・・・。」

「亜織さんには忘れるように言われたんですが、気になってしょうがないんです。」

「・・・悪魅堕羅とは、悪しき淫らな怨魂です。人々の卑しき心が具象気体となり、そして実体化したものです。」

「怨・・・魂・・・?」

「勇波家は先祖代々、封魔忍(ふうましのび)を生業としてきました。人々の目から隠れ悪魅堕羅を滅刹する事が、私達勇波家に生まれたものの宿命なのです。

 悪魅堕羅とは、主に男性の方達の悪しき欲望の塊ですから、女性の前にしか姿を現しません。そして悪魅堕羅に襲われた女性は、その記憶を排除されるのです。」

「・・・・・。」

「本当は私も、悪魅堕羅の事や亜織の事は、先生には忘れていただきたいのですが・・・。」

「え・・・。」

「悪戯に悪魅堕羅の存在が知られては、世間は大きく混乱してしまいます。

「で、ですが・・・。」

「闇に生き、闇に潜む悪魅堕羅を、人知れず退治し続ける。これが私たちに課せられた運命。しかも、人間が存在する限り悪魅堕羅もまた存在し続ける・・・。

 あんな小さな子には酷かも知れませんが、私たちはその宿命を背負って生きていくほか無いのです。」

「・・・・・。」

しばらく時が流れる。静寂を打ち破り、茜は小さく囁く。

「遅いですわね・・・。まだ暫くかかるかもしれませんわ・・・。」

「私、一度出直してきます。」

「・・・そうですか。では玄関まで・・・。」

「いえ、ここで結構です。」

教え子の思いもかけない秘密に、涼子は動揺していた。取りあえず一度家に帰り、落ち着いてから再び勇波家を尋ねようとしていた。

 

浴衣に着替えた亜織がふすまを開けて、母親の目を見つめた。

「・・・・母上様・・・。どうして先生にあのような事をお話したんですか・・・・?」

「ずっとそこにいたのね、亜織・・・。なんとなくあの人には、私たちと同じ香りがしたの・・・。悪しき者と闘う宿命を背負った者・・。そんな、香りがね・・・。」

「・・・確かに、先生の聖濡は、強い力を持っていましたが・・・。」

「やはり、あの方には不思議な力があるようですね・・・。でも、どんなに強い聖濡でも、それを『滅刹の光』・・・悪魅堕羅に対抗する光に変える事が出来るのは、

 勇波家の人間だけです・・・。結局、悪魅堕羅と闘えるのは、私たちしかいないという事です。ただ、彼女になら私たちの苦しみがわかってもらえるのではないかと、

 漠然に思っただけです。誰かに、私たちの宿命の事を、聞いて欲しかった・・・。弱い母親を、許して頂戴・・・。」

「・・・・・。」

「亜織、いらっしゃい。」

茜は亜織を自分の前に座らせ、ただ乾かしただけの状態であった亜織の髪の毛を、櫛でとかしはじめた。

「・・・随分と、長いお風呂だったわね・・・。」

「・・・はい・・・・。」

「・・・・何か、あったの?」

亜織の肩が小さく震え出した。茜からは見えないが、彼女は溢れる涙を流さぬよう、必死に目を閉じていた。

「・・・母上様、私・・・。私、大人になりたくありません・・・。」

「亜織・・・。」

「・・・今日、悪魅堕羅が私を襲ってきました・・・。私の身体に対しての強い欲望を感じました・・・。とても・・・とても怖かった・・・・。」

「・・・それは私も経験してきた事です・・・。乗り越えなければ、立派な退魔師になる事は出来ません・・・。強く、強くなるのです、亜織・・・。」

「母上様・・・。」

一生闘い続ける事を運命づけられた苦しみは、自分も一番良くわかっている。その苦しみを乗り越えられる強い心は、

亜織自身の力で育まなければならない。茜は、多くを語る事は出来なかった。

 

 

 

夜半、涼子は再び勇波家へ向かった。今は一刻でも早く、亜織に会って話がしたかった。

過酷な運命と闘いつづける彼女に、少しでも力になりたいと考えていた。だが、勇波家に亜織はいなかった。

「・・・あの子は出かけてゆきました。」

「そうですか・・・。」

「酷い母親だとお思いでしょうね・・・。非難されても仕方ないと思います・・・。」

「そ、そんなつもりはありません。ただ何か一言、亜織ちゃんに声をかけたくて・・・。」

「先生・・・。どうぞ、上がってください。一緒に亜織を待ちましょう。」

 

亜織は悪魅堕羅と闘っていた。今度の相手は、女性の身体を痛めつけるという欲望に特化している。無数の触手で亜織の身体を打ち据える。

「クゥッ!・・・はぁ・・はぁ・・・。あうッ!ん、くあああ!きゃあ!・・あ・・・んぐあ!きゃあああああ!!」

亜織の甲高い悲鳴を聞き及び、悪魅堕羅は攻撃を一層強める。抗魔用の装束がボロボロに裂け、白い肌には幾つもの傷がつけられる。

歯を食いしばり、必死で悪魅堕羅と対峙する亜織。

 

「ここ最近、悪魅堕羅の動きが活発になってきました。今の世の中は、悪しき怨念に満ちているのかもしれません・・・。」

「悪魅堕羅と怪獣は、何か関係があるんでしょうか?怪獣の方も、よく出現するように思えるんですが。」

「明確な実体を有さない悪魅堕羅と、巨大な肉体に強い生命力を宿した怪獣は、別物と考えるべきでしょう。ですが、無関係とは言えないと思います。

 眠っている怪獣の肉体に悪魅堕羅が取り憑き、復活させてしまう事もあるでしょう。

 悪魅堕羅の思念と別のどこかから湧き出た思念が寄り集まり、怪獣になる可能性もあります。

 また、悪魅堕羅自身が何かのきっかけから、怪獣になる事もあるんです。」

「悪魅堕羅が?」

「はるか昔、数名の封魔忍が集まり、多数の悪魅堕羅をまとめて退治した事があったそうです。その時、封魔忍達の力に呼応して、

 無数の悪魅堕羅が集結し、その聖なる力と対抗しようとしたそうです。聖なる力が寄り集まれば、悪の力も寄り集まろうとする・・・。

 悪魅堕羅の集合体は、まさしく怪獣の如き巨大さで、そこに存在するだけで人々を狂わせていたそうです。

 それ以来、退魔忍達は全国に散らばり、大抵1人で行動するようになりました。・・・・本当の事を言えば、私も亜織と共に闘い、

 力を合わせて悪魅堕羅を封印したいのです。でも、私達2人が力を合わせた時、それに対抗すべくさらに強い悪魅堕羅が出現してしまう事も

 考えられるんです。ですから・・・。」

「・・・お母さんも、おつらいんですね・・・。」

「でも、若いあの子の苦しみに比べれば、この程度の事など・・・。」

 

亜織の軽い身体が宙を舞い、そして地面に叩きつけられる。血を吐きつつ、苦しみ悶える亜織。

触手は亜織の首を締め付け、窒息させようとする。

薄れゆく意識の中、亜織はスカート状の装束の中に手を入れ、秘所をなぞる。

愛液にまみれた両手をかざし、光球を作り出すと、それを悪魅堕羅に叩き込んだ。みるみると消滅していく悪魅堕羅。

そして、亜織もまた力なく倒れ込んだ。身体のあちこちに傷を負い、体力も限界に近づいていた。

意識が朦朧としはじめ、バッタリと倒れこんでしまう亜織。たまたまそこに通りかかったのは、矢的猛であった。

「・・・勇波じゃないか!?しっかりしろ!」

「や、矢的先生・・・。」

 

亜織の無事を祈りつつ、帰りを待つ茜と涼子。

「太陽の光を嫌う悪魅堕羅が、日中に出現するようになってきました。悪魅堕羅の力が強くなっている事の証です。

・・・そして亜織の身体は日に日に女らしく成長していきます。悪魅堕羅が、亜織に対して性的な欲求を示すようになって来ました。

 亜織は今、苦しんでいます。強さを増していく悪魅堕羅に対抗できるのか・・・。いつ、操を奪われてしまうのか・・・。

 一生闘いつづける事が、果たして出来るのか・・・。」

「・・・・・。」

「ごめんなさい、先生。先生に話しても仕方の無い事です。結局これは、私と亜織の問題なのですから・・・。

 誰かに、この苦しみを聞いて欲しかっただけなのです・・・。」

「私もお母さんや、亜織ちゃんの力になりたい・・・。でも、人間がいる限り悪魅堕羅は消滅しないなんて・・・・。」

その時、玄関の扉が開く。傷だらけの亜織を抱え、矢的がやってきた。

「亜織!」

その姿に驚愕し、亜織にひっしと抱きつく茜。

「ごめんなさい、亜織・・・。幼い貴方に、こんな苦労させてしまって・・・。」

「・・・は、母上、様・・・・。」

母親に抱かれて安心したのか、スゥっと目を閉じて深い眠りに入った亜織。涼子と矢的は、何も言わずそこを立ち去る。

 

矢的に勇波母娘の事を全て話す涼子。彼は秘密を守るように約束された事を、世間に公表するような人間ではない。

それに涼子は、あの母娘にどう接してよいのかわからなかった。考え込む2人だが、結局何の結論も出せなかった。

涼子はもどかしかった。もし彼女達の相手が、凶暴な怪獣や悪質な宇宙人であるというのならば、ウルトラ戦士としての力をおしみなく発揮して、

彼女達の力になってあげられる。だが、悪魅堕羅を全滅させる方法はただ一つ、人間が滅びる事である。

結局彼女達は、過酷な運命と向き合う以外の道は残されていない。涼子は、彼女達にただ強く生きて欲しいと願うのみであった。

 

 

 

翌朝、HRのために教室に赴く涼子。亜織は身体中に包帯を巻いて出席していた。

周りの生徒達は、亜織の身体の事を特に心配する様子も無く、昨夜のTVの話題などにふけり、談笑している。

涼子が話をしていても、相変わらず窓の外を眺めている。亜織は今日も1人淡々と授業をこなし、家路につく。

その道すがら、強い怨念を感じとる亜織。複数の、悪魅堕羅の気配である。

気配のする場所へ駆け出し、カバンから小太刀を抜き出す亜織。彼女の周囲を取り囲むように、数体の悪魅堕羅が出現した。

亜織は果敢に悪魅堕羅と闘う。切りつけても切りつけても倒れず、亜織の身体を欲してくる悪魅堕羅と勧善と立ち向かう。

だが、身体を負傷している上に多勢に無勢のこの状況では亜織に勝ち目はない。悪魅堕羅は、亜織を両足に触手を絡みつかせると、

ぶわっと宙吊りにした。

「きゃああっ!!」

スカートがめくれ、純白の下着が露となる。さらに悪魅堕羅は亜織の両足を左右に広げ始める。懸命に脚を閉じようとする亜織。

触手は四肢を拘束するばかりでなく、制服の中に侵入して亜織の地肌にペトペトとまとわりつく。

「ん、くぅぅ・・・。ぁあ、んああ!だ・・・だめ・・・・。きゃあああ!」

吸虐の悪魅堕羅は亜織の乳首に吸い付き、縛虐の悪魅堕羅は亜織の身体をグイグイとしめあげ、そして膣虐の悪魅堕羅は、

亜織の貞操を奪わんとしている。亜織の幼い恥裂に、触手が侵入を始めようとしていた。

「い、いや・・・・こ、こわい・・・。たすけて・・・。誰か、助けて!」

亜織が叫んだその時、悪魅堕羅たちは何処からか放たれた光の矢を喰らい、動きを止めた。

封魔忍の装束を纏った茜が、亜織の元へ駆けつける。

「私の亜織の貞操、醜悪な化け物に奪わせるわけにはいきません。」

「は、母上様・・・。」

妙齢の女性が高い露出度の衣服を纏い、挑発している。悪魅堕羅は茜に標的を変える。一気に茜に絡みつく触手群。

手足の自由は奪われ、さらに豊満な乳房に吸い付かれ、悶える茜。

「あう!ぐ、くぅぅ・・・。ん、くぅあっ・・・。はぅあぁ!ぁんッ!いああああ!!」

激しい吸引力は、茜の乳首から母乳を搾り取らんとする勢いであった。そして触手群は、茜の膣へも深く入り込んでくる。

「はぁんッ!くふぅ、あはぁぁぁぁッ!」

「母上様!」

自分の母親が化け物たちに凌辱されている様を、黙って見ているわけにはいかない。小太刀を手にした亜織は、懸命に母を救おうとする。

そんな亜織に危機がせまれば、茜も母親として力を振り絞り、娘の身を守ろうとする。激しい闘いの末、悪魅堕羅達の動きを止めることに成功した。

2人は服を裂かれ、すでに全裸に近い状態になった。ぴったりと身を寄せ合いつつ、まだ緊張は解かない。

「・・・母上様・・・。まだ、来ます・・・。」

「わかっています、亜織・・・。」

「・・・聖濡が、枯れてしまいそうです・・・。」

「・・・亜織、これを見なさい・・・。」

茜は細長い筒を取り出した。そしてその筒を、自分の秘所に潜り込ませた。

「ぁんッ・・・・!」

「は、母上様!?」

「・・・また膣虐の悪魅堕羅が現われるでしょう。今の状態で、あなたを守る事は出来ないかもしれません。

 あなたの貞操を悪魅堕羅などに奪われるわけにはいかない・・・。ならば、この母が・・・。」

母親の真意に気付いた亜織は、ゴクリとつばを飲み込みつつ、茜の膣からそそり立つ棒を、自分の中に受け入れようとした。

小刻みに震える亜織の身体。茜は優しい笑みを浮かべた。

「怖がらなくてもいいのですよ、亜織・・・。」

「母上様・・・。」

 

 

 

亜織は意を決し、薄いピンク色をした汚れなき秘所に、棒を挿入させる。

「はぅあ!・・・い・・・痛い・・・。」

「耐えるのよ、亜織・・・。」

2人の周囲を悪魅堕羅が囲い始める。鮮血のしたたる棒を、さらに奥深くヘめり込ませていく亜織。頬には涙がつたう。

少しでも亜織の痛みをやわらげようと、小さな淫核を指でさする茜。亜織の身体がググっとのけぞる。

「は、ぁあ・・・は、母上さま、ぁあ・・・。んん・・・・わ、私・・・・ぁあッ!」

亜織は生まれて初めて絶頂を体感する。棒は、次第に亜織の膣内へ吸収されていく。

「もう一息です。頑張って、亜織。」

「んん・・・ふ、深い・・・・。ぁあ、んんん・・・・、きゃああああ!」

2人の膣が筒をすっぽりと挟み込んだ瞬間、亜織は思わず失禁をしてしまう。茜の恥丘に水滴が舞い散る。

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい母上!」

「構いません。いいですか亜織。このまま聖濡を蓄積します。悪魅堕羅に何をされても、耐えるのです。母から離れてはいけませんよ。」

「わ、わかりました・・・。んんッ!」

茜はゆっくりと腰を動かす。苦しみの声をあげる亜織であったが、じょじょに甘い吐息へと変わっていく。

悪魅堕羅の触手が2人の身体に絡みつきはじめる。だが茜は亜織の小さな身体ををギュっと抱きしめ、

やさしい腰使いで娘の性的興奮を沸きあがらせる。悪魅堕羅の触手が口への侵入を試みれば、茜はさっと亜織に唇を重ねる。

母親の甘い接吻に、亜織はビクっと反応。舌を絡ませ、胸を押し付け合い、静かに腰を揺り動かしあっているうちに、

悪魅堕羅に襲われていることさえ忘れるほどの官能的な気分になっていく。

「あ゛あ゛あ゛うッ!!」

「母上!?」

突如茜が奇声を発する。いつもの柔らかい物腰からは想像もつかないような、激しい悲鳴であった。膣への潜入が出来ない触手が、

茜の菊穴に強引に入り込んだ。亜織の方は、茜の手がしっかりと覆い被さっている。なんとか母を貫く触手を引っ張り出そうと手を伸ばす

亜織であったが、腸の奥まで深く根ざされた触手を引き出すには亜織は力が足りなかった。

「んんッ!ぐ、ああっ!・・・お、ぉうあぁ・・・。ひぎあ!あ゛あ゛!んあ゛あ゛あ゛!!」

「ははうえッ!んむぐあああ!!」

亜織の小さな口に、触手が入り込む。細い触手は2人の乳首に絡みつく。茜の乳房は引き千切られんばかりにまで引っ張られる。

そして連結している母娘の身体を外し、膣穴への責めを敢行しようと、触手は2人の腕に絡みつきとグイグイと引っ張った。

互いの両足をガッチリと絡ませ、必死になって密着しようとする2人。触手は徹底的に2人を責め続ける。

「は、母上、このままでは・・・。」

「まだ、離れるわけにはいきません!あ、亜織を襲わせるわけにはいきません!」

願いも空しく、身体を引き離されそうになったその時、2人を引っ張る力が突然弱くなる。触手は、新たな獲物に反応をはじめた。星涼子である。

「・・・私に何か出来るとは思わない・・・。でも、何かをせずにはいられない!!」

「せ、先生!」

「先生、先生の聖濡を私たちに・・・。」

茜の言葉を聞き及んだ涼子は、ためらいもせずに自分の秘所をまさぐり出した。当然周囲を触手に囲まれ、あらゆる箇所に巻きつかれる。

だが、涼子は懸命に液を出そうとする。

「亜織、先生が力を貸してくれます。もう少し、もう少しの辛抱ですよ!」

「はい!」

 

激しい凌辱に耐える3人。茜と亜織を繋ぐ棒と、涼子の指に充分な量の液が染み渡った。

「亜織、今です!」

「先生、手を伸ばして!」

茜と亜織は棒の両端を握り、そして涼子がその中央を握る。3人の聖濡が染み渡った棒は、茜と亜織の祈りによって光を放ち始める。

3人が手を放すと、棒は光り輝く矢を放ちながら高速回転。涼子たちのとってまるで無害の光の矢が悪魅堕羅を撃ち貫くと、

悪魅堕羅はみるみると消滅していく。回転が終わった筒を拾い上げる茜。すでに全ての悪魅堕羅が消え去っている。

「・・・やったわね、亜織ちゃん・・・。」

だが、亜織の表情は晴れない。幾ら悪魅堕羅を倒しても、連中はまた出現するのだ。

「・・・・亜織・・・・。!?な、何・・・この感覚は・・・。」

「は・・・母上様・・・。」

「今までに感じたことの無いような、強い怨念・・・。」

「これは、まさか・・・・。」

「聖なる力が寄り集まった時・・・。悪の力もそれに呼応し、寄り集まる・・・・。」

暗転する空。轟く雷鳴。上空に、どす黒い霞が集結する。地球上のいかなる生物とも似ていない、だが生理的嫌悪を沸きたてさせる

醜悪極まりない姿形。集合体となった悪魅堕羅が地に降り立つ。だが、人を襲うでも、破壊行動をするでもなく、そこに存在しているだけである。

だが、悪魅堕羅の周囲にいた者は、段々と目の色が変わっていく。いや、目の色が変わっていったのは世の男性達のみだ。

悪魅堕羅の臭気に感染された男達は、欲望を剥き出しにして女性たちに襲い掛かる。雑念が寄り集まって生まれた悪魅堕羅が集合体となった時、

今度は雑念を人々に撒き散らす存在となったのだ。人間そのものが悪魅堕羅となり、欲望のままに立ち振る舞う。

 

 

 

異常事態に、UGMのスカイハイヤーとシルバーガルが飛来する。だがタジマの乗るスカイハイヤーは勝手に不時着する。

ハラダもシルバーガルを自動操縦に切り替えてしまう。後部座席の城野隊員がハラダに詰め寄る。

「ハラダ隊員!何をしているんですか!?」

ハラダが振り向いた時、その表情はまさしく悪鬼の如きであった。鼻息を荒げ、ヨダレを垂らしながら城野隊員を見つめる。

雄叫びをあげながら、城野隊員に飛びつくハラダ。

「キャアアアアアア!!」

狭いコックピットは修羅場と化す。ハラダは力任せに城野隊員のユニフォームを千切り、はじけんばかりの豊満な乳房を露出させる。

「ハ、ハラダ隊員やめて!」

必死で抵抗する城野隊員。その抵抗が鬱陶しくなったハラダは、ライザーガンを引き抜く。そして、城野隊員の股にギュっと押付けた。

「キャアアアアアアアアア!!」

野蛮人と化したハラダは銃口をかなり奥までめり込ませる。下着とユニフォームの上から、城野隊員の膣に入り込むほどであった。

「い、痛い!ハ、ハラダ隊員!正気に戻って!ああああ!」

ハラダは城野隊員の乳房に噛み付く。舌を使い、乳首をコロコロと転がす。銃口が出し入れされると、城野隊員が発した液によって

オレンジ色のユニフォームに染みが出来る。強姦されているとはいえ、敏感な箇所を責め立てられている城野隊員は吐息を漏らし始めてしまう。

さらに欲情したハラダは、ユニフォームの下半身をビリビリとはいでゆき、城野隊員の秘部を露にさせた。

「い、いやあああああああああ!!」

意外とも思える剛毛であった城野隊員の股に顔をうずめるハラダ。城野隊員の腰を少し浮かせると、ライザーガンをお尻の穴にぶち込んだ。

「ひああああああああ!!や、やめてえええええ!!きゃああああああああ!!」

ハラダは城野隊員の膣の肉に牙をたてる。ライザーガンの銃口も激しく出し入れさせる。溢れる蜜はズズズっと吸い込み、ザラついた舌で

敏感な部分をペロペロとなめあげる。さすがの城野隊員も、野人の如きハラダの責めにグッタリとし始める。

朦朧とする意識の中、突然恥丘と肛門への痛みが無くなった。ハラダは次なる責めをしようと、自分のユニフォームを脱ぎ、

ビンビンに反り返る欲棒を露出させようとしている。

「そ、そんなの、イヤァァッ!!」

城野隊員はハラダを蹴り飛ばし、上方のレバーを引いた。城野隊員のシートはスルスルと後退、そのままα号へ移動し、

強引にシルバーガルを分離させた。頭の打ち所が悪かったせいかハラダはコックピットで気を失っている。

城野隊員は思わず、フラフラと旋回するβ号にレーザーを撃ち込んで撃墜してしまった。我に返り、改めて本来の敵である悪魅堕羅集合体に

攻撃目標を定めるが、大したダメージを与える事は出来なかった。

 

悪魅堕羅を中心として発せられる臭気は、徐々に広まっていく。

「な・・・なんて事なの・・・。」

「みんな!早くどこかへ逃げろ!」

立ちすくむ3人に叫びながら駆け寄ってきたのは、矢的猛である。悪臭気に犯される事の無かった彼は、3人がほぼ全裸である事に危惧する。

猛り狂った世の男性陣の格好の餌食になってしまう。

「亜織ちゃん、立ち向かうの。どんな困難にも立ち向かうのよ。あなたは強い子だから、きっと大丈夫。先生、応援しているからね。」

涼子はそう言うと、集合体の方へ駆け出していく。

「先生!」

「涼子先生!あなたに、あの化け物を倒す事が出来るんですか!?」

矢的の叫びが聞こえたが、涼子は無視をして走り続けた。得体の知れない化け物相手に勝てるかどうかなどわからない。

だがそんな事は、いつもやっている事である。勝てるかどうかなどは、闘わずして、立ち向かわずしてわかるものではない。

涼子は右腕を掲げる。

「ユリアンッ!!」

光の国の戦士が登場にも、集合体は無反応であった。高々とジャンプし、ユリアンキックをお見舞いする。だが、敵は以外に固く、

ユリアンの方がふっとばされた。接近してのパンチやチョップも通用しない。投げ捨て様にも、大地に根が張った如くピクリとも動かない。

ユリアンは距離を取り、サクシウム光線を放った。だが、全く通用しない。ならばとバックルに力を込め、白く輝くビームを撃ち放つ。

すると悪魅堕羅は初めてそれに反応。その巨体からは想像もつかないほどの速度で急上昇、ビームの軌道をかわして再び大地に降り立つ。

悪魅堕羅はユリアンの存在に気がつく。体表から無数の触手を生えさせ、ウネウネと触手がうごめかせた。

 

矢的と、茜、亜織の周囲を狂った男たちが取り囲む。その男達の中には、UGMタジマの姿もあった。

「クソ!こっちに来るな!」

2人を守るべく、棒を持ち出して男達を警戒する矢的。すると男達は突然倒れこんでいく。

「ぅぅ・・・。お、俺たち一体何してたんだ・・・・?」

永い眠りから突然目覚めたかのようにキョロキョロと周囲を見回すタジマ達。墜落したシルバーガルα号のコックピットのハラダも、

自分が何故墜落しているのかわからずにいた。

「こ、これは・・・。」

「おそらく悪魅堕羅がユリアンに気を取られ、臭気を発するのを止めたからだろう。欲望はすべて悪魅堕羅に寄り戻された・・・。」

「それではユリアンが、あの大量の性欲の標的となるのですか・・・?」

 

触手はまず、ユリアンの動きを封じようとする。ギュンギュンと伸びてくる触手群の数はあまりに多く、ユリアンはかわしきれない。

縛虐の触手はユリアンの身体に絡みつくだけでなく、グイグイと締め上げて骨をも軋ませていく。

「ヴェアァッ!クゥ、ヌグアアッ!」

続く攻撃は、刺虐の触手のものである。勢いよく伸びていった触手は、ユリアンの太ももを刺し貫く。そして腹、肩とズボズボと貫かれた。

「ヴアァッッ!ヌグッ、フゥグアアアア!!」

撲虐の触手はユリアンの身体を殴りつけ、吸虐の触手はユリアンの乳房に吸い付く。膣虐と肛虐の触手は、まとめてユリアンに挿入を始める。

「ヴグゥアアアアアアアアアアアアアッッッ!!ヌグ、シュフゥアアアアア!!ヌグォ、オアアアアアア!!」

ユリアンに入ってきた触手は1本や2本ではない。膣や菊穴を力任せに広げ、可能な限りの触手群が侵入を謀る。

身体中を駆け巡る凄まじいまでの激痛。細い触手はユリアンの乳首や淫核に巻き付き、引き千切らんばかりの力を発した。

「ヴェアアアアアアア!!ゥグググ、フシュゥエワアアアアア!!ヌグ、ギィ、アアアアアアアアア!!」

挿し込まれた触手をつたい、ユリアンの愛液がボタボタと零れ落ちてくる。さらにユリアンの身体は締め上げられ、刺し貫かれ、挿入をされる。

消え入りそうなユリアンの命にトドメを刺したのは、固く鋭い刹虐の触手。一瞬にしてユリアンの胸を刺し貫いた。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァッ・・・・・・・・・・・・。」

ユリアンの絶命を感じ取った触手達は、屍となったユリアンの身体を解放する。ドスンと音をたて崩れ落ちるユリアンの身体。

 

 

 

その光景を見ていた亜織は、呆然となる。

「・・・ウルトラ戦士のユリアンが、あんな目にあってしまうなんて・・・・。」

強大な敵を目の当たりにし、恐怖に怯える亜織。その時茜は、ユリアンの身体から滴り落ちた愛液の存在に気がつく。

「・・・・亜織、来なさい!」

亜織を連れ、その愛液の元へ駆けて行く茜。矢的もまた、ユリアンの身体に駆け寄っていく。

「亜織、ユリアンの聖濡を滅刹の光に変え、悪魅堕羅に見舞います。あなたも手伝ってちょうだい。」

「ですが、母上様・・・。」

「いいから、言う事を聞きなさい!」

母娘は2人してユリアンの液を掬い、光へと変えていく。そして2人の腕から、眩く輝く光渦が巻き起こり、悪魅堕羅めがけて突き進んでいく。

悪魅堕羅は危機を察知、触手を翼のようにして天に舞い上がり、かわしてしまう。

「母上様!」

「まだ聖濡はあります!亜織、何度でも試すのです!」

 

そして矢的は、仰向けに倒れたユリアンの胸の上に立っていた。ポケットからスティックを抜き取りつつ、胸元にあるブローチに近づく。

「・・・悪魅堕羅、ウルトラ戦士をなめるな。エネルギーさえ与えれば、止まった心臓だって・・・。」

矢的はスティックに充填されている全てのエネルギーをユリアンに照射した。それでもユリアンの身体はピクリとも動かずにいる。

「ユリアン、ユリアン起きろ!まだ死ぬ時ではないはずだ!」

矢的の呼びかけに、ユリアンの心臓が反応する。トクン、トクンと波打ち始め、やがてユリアンの瞳がうっすらと輝き始める。

地に降り立った矢的は再びユリアンに向かって叫ぶ。

「立てユリアン!勇波も見ているんだぞ!」

ムクリと起き上がるユリアン。悪魅堕羅は、母娘が放つ光流をヒョイヒョイとかわしている。ユリアンは、悪魅堕羅に組み付く。

慌ててユリアンに対し触手を突きつける悪魅堕羅。

「ユリアン!」

「亜織、次の一撃に全ての力を注ぐのです。」

茜の光球は赤く、亜織の光球は青く光り輝きはじめる。

「悪霊、退散!」

「淫魔、封印!」

2人が放った光流は、天に昇る青龍と、天を舞う朱雀の如き幻影となり、絡み合いながら悪魅堕羅に向かっていく。

2人の最後の一撃は、悪魅堕羅の体を固定するユリアンともども命中。バラバラと崩壊しながら消滅していく悪魅堕羅。

ユリアンの身体には何一つ害は及ばない。ユリアンは、茜と亜織たちの方を見やると、天へ消えていった。

その姿をずっと眺めていた2人の元に、矢的が歩み寄ってきた。

「勇波、ユリアンはどうして命を懸けてまで闘うか、わかるか?」

「・・・・何故、なんでしょう・・・?」

「ユリアンは、この美しい地球の事が好きなんだ。当然、この星に住む地球人もだ。確かに地球人は未熟な部分もある。悪魅堕羅が現われるのも、

 怪獣が現われるのも、地球人の心の歪みに原因があるんだろう。だが、それでもユリアンは地球人が好きだ。

 歪んだ心を持ったまま生きていくのはいけない事であると、地球人達はちゃんと認識している。そしてお前のように、悪い心が生み出した霊魂を、

 誰からもお礼を言われる事もなくとも懸命に排除する人がいる事も、ユリアンはちゃんと知っている。いつか地球人は、みな心が豊かになる。

 怪獣も悪魅堕羅も現われない地球が来る、彼女はそう信じて、闘っているんだ。」

「・・・・・。」

「お前は、1年E組のクラスメートの事を嫌ってるわけじゃないだろう?涼子先生の事も、好きだろう?お前はちゃんと毎日、学校に来ているもんな。

 お前が闘う事で、その好きな人達の生活を守る事が出来る。それを、闘い続けていく理由には出来ないだろうか?」

「・・・はい・・・。」

 

次の日の朝、教室に入ってきた涼子の姿にクラス一同驚く。頭部には包帯が巻かれ、眼帯もしている。腕は三角巾でつられ、

松葉杖までついている。身体のあちこちにバンソウコウが貼られた、これでもかと言わんばかりの傷つきようであった。

「せ、先生どうしたの!?」

「実は昨日、悪い奴と闘ってね。」

「なんで先生は女性なのに闘うの?野蛮だわ。」

「人に迷惑をかけるような相手には、敢然と立ち向かう。私はみんなにも、そういう人になってほしいわ。」

「だけど、ボコボコにされるのはイヤだよ。」

「だったら、闘ってくれる人を応援しなさい。あなた達は知らないかも知れないけど、私たちじゃどうにも出来ない相手と闘ってくれてる人達もいるのよ。

 時々でいい。そういう人達がいるって事を思い出して、彼女達に感謝してほしいの。」

多くの生徒達にとって、涼子が何を言おうとしているのかは理解できない。だが亜織は、真剣に涼子の話を聞いていた。

涼子が亜織と目が合ったとき、亜織は小さく微笑み返した。

 

“・・・相変わらず亜織ちゃんはクラスにうちとけていません。でも、みんなと彼女との間にあった壁は、もう無くなっているような気はします。

 あとはお互い、ちょっとだけ距離を近づけてくれれば、みんなと仲良しになれると思います。

 でも、ちょっとだけ心配になってしまうのが正直なところです。きっと彼女は今夜も、アミダラとの闘いに赴いているはずです。

 一生続くこの闘いの最中、また彼女が苦しみ、悩む時が来ないとは限りません。彼女に声援を送る事しか出来ない自分に、

 ちょっとだけ歯がゆさを感じてしまいます・・・。

 

 P.S. 私を助けてくれたのは、やっぱりあなたでしょうか?・・・たまには、ちゃんとお礼を言わなくちゃね・・・。ありがとう、エイティ。       ”

 

手紙を受け取った矢的は、夜の街の灯りを見ながら、思う。

「ウルトラマンから応援されているんだ。きっと彼女は、大丈夫だよ・・・。」

 

 

                                   ― 続く ―

 

 

 

怪獣ファイル VOL.3

 

悪魅堕羅(あみだら)

世の男性のみだらな欲望が具象化した、得体の知れない不気味な物体。それぞれの悪魅堕羅が、フェラフェチであったり

アナルフェチであったりSMフェチであったりする。どの悪魅堕羅も本体はハッキリしないが、触手はもれなく付いている。

女性に対する欲望が具現化しているため、男性にとってはなんの害も無いが、女性にとっては天敵である。

 

得意技・・・ありとあらゆる卑しい攻撃   弱点・・・聖濡※による攻撃

 

※ 聖濡(せいじゅ)・・・ようするに、マン汁のこと 封魔忍は聖濡を武器に塗りつけて切りつけたり、

               光球に変化させて悪魅堕羅にぶつける。

               悪魅堕羅を倒す方法はこれ以外にない。 

 

 

悪魅堕羅集合体(あみだらしゅうごうたい)

悪魅堕羅を退治しようとする封魔忍が大勢集まると、それに対応して悪魅堕羅自身が集合体になる。

悪臭気(エロチックガス)を放ち、世の男性の欲望を介抱させる力を持つ。

集合体であるため、ありとあらゆるフェティシズムを有しており、無数の触手によって己の欲望を満たさんとしている。

 

得意技・・・ありとあらゆる卑しい攻撃  弱点・・・聖濡による攻撃

 

 

 

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